Wednesday, March 31, 2021

 「茶色いのにチョコレートの味がしないよ。色と味が違うのは困るんだ。」

Tuesday, March 30, 2021


 テーブルクロスをひろげる人。お菓子の幽霊たちと一緒に暮らしている。

Monday, March 29, 2021

 いちごジャムのスプーンが金属の味だけになっても、まだおいしい。

Sunday, March 28, 2021

 散歩から帰ってきて、家の中がおいしそうな匂いがすることがある。ああそうか、出かける前に使ったアイロンの匂いだと気づくのに5秒くらいかかる。トースターからパンの匂いを引いた感じ。

Saturday, March 27, 2021


 あっという間に葉っぱがでてきた。緑色を作るってそんなに簡単なのか。

Friday, March 26, 2021


 もうすぐ倒れる人たち。

Thursday, March 25, 2021

 ある日母がペンチと金属片を持って立っていて、15分くらいでクッキーの型を作ってしまった。私はただ驚いて見ていた。そんなことくらいしかおぼえていない。

Wednesday, March 24, 2021


こけし化した 私の母。

母のことはよく知らないから気楽に書いてしまう。特に親しかったわけでもないし。

Tuesday, March 23, 2021



 一年に一度は、もう捨てようかなと思う母の遺品のこけし箱。

Monday, March 22, 2021


 こけしブーツ。

Sunday, March 21, 2021


 「最近はこけしの美容師さんをしているの。」

Saturday, March 20, 2021

 地面に足をおろすことがないまま天国にやって来たものの中に、水栽培のクロッカスがいた。

Friday, March 19, 2021

 この春も、しばらくしたら返してくれと言われるだろう。やっぱり間違いでした、今年も直接夏のほうに向かってくださいと。

Thursday, March 18, 2021

Wednesday, March 17, 2021


 大発明かもしれないと思った2本の指がはいる指輪。

Tuesday, March 16, 2021


 小さなアイディアが泡のように無数に消えていく。コーラやシャンペンの気持ちが私にはわかる。

Monday, March 15, 2021


 メモ2。洗面器に家をしずめている人。

Sunday, March 14, 2021


 冬のあいだに思いついたけれど描かなかった絵のメモを整理中。

「右の手袋を持っている左手」。黄色と茶色で描いたらドラマチックだろうなと思った。

Friday, March 12, 2021


 指が色鉛筆の人が爪を切っているところ。


 

Thursday, March 11, 2021

 「涙が止まらないなら絆創膏を貼ってみたらどう?まつ毛は全部抜けるけど。」

Wednesday, March 10, 2021

 「私が死んだあと、靴を5足も持って行ったでしょう。家に帰るまでサイズが違うことに気づかなかったでしょう。あなたって本当に馬鹿よね。」

Tuesday, March 9, 2021


 「私はもう死んじゃったからあなたのお母さんじゃないし、意地悪はしないわ。郵便受けにチョコレート入れとくわね。」

Monday, March 8, 2021


 「あなたまさか私を割るの?」と母が言う。

Sunday, March 7, 2021


 気が重いけれど父と同じ顔の卵を割ってみる。

Saturday, March 6, 2021


 「自分が単純な材料でできているって知っているって楽しいね。」

Friday, March 5, 2021


 「自分が何色の絵具で描かれているのか知る権利があると思う。」

Thursday, March 4, 2021

 角砂糖だって、理由もなく溶けていく。

Wednesday, March 3, 2021

 3月の水たまり、空もうつさず。

Tuesday, March 2, 2021


 ピクトグラムを書き写してわかった。「外は明るいぞ」という設定なのだ、足元の影を見るかぎり。

Monday, March 1, 2021


 うちの洗濯物はエマージェンシーな感じ。