この世はつらいことの起こる天国、一年の終わりにそう思うことにした。

白ワインのグラスが倒れないでいられる高さの限界。

理想の行き先は人ごみの中。みんなと仲良くすることはできなくても、人ごみに溶け込んでいくことはできる。

寺町のクリスマス。

写真ファイルにない夢　その２

あの世で餡子のために借金を作った舅が浮世に戻ってくる。

写真ファイルに夢の中の光景はない。

夢　柳の模様の浴衣を着た人が柳の模様の浴衣を着た人を肩車している。どちらも上背のある大人で、体重の重さによろけながら歩いていく。風に揺れる本物の柳の木のように。

12月、角のある動物は植物のように美しく。という文章を思いついたが最近遠出をしていないので、9月に動物園で撮った写真で良いことにした。

マッチ売りの少女、マッチのかわりに体温計じゃあしまらないか。

また発熱。今度はぼんやりした世界のおまけがついて来ない。

37度2分、あと1度体温が下がったらもう描けない「やさしい生き物」。

キラキラと全体の無い世界。

熱は下がったが、頭が働かないのでコラージュパーツだけ作る。

これで気分をリセットできると思えば風邪も楽しい。

喉の風邪、ひきはじめ。

カメラだけじゃなく、私の目も一眼レフじゃなくてスマホ風になってきた。それでも時々好きな物を捕まえられる。

面白い物を見ても心は癒えない。癒えなくてもいいけど。

浦島太郎が乙姫様に隠れて鯉と浮気し、生まれた人魚を捨てに行くという話、山東京伝作。

「小栗虫太郎の小説に、女は泥水を飲まないほうが良いっていうセリフがあったよ。」

管をピンクに塗った人の馬鹿馬鹿しいようなこだわり。

緑を使わずに絵をかいてみようと決めてから始めた。我慢できずに途中から湯気に緑を混ぜた。避けようとするとかえって緑色の絵具のことが頭から離れなくなる。長年にわたって意地を張り続けたターナーってどんな人だったんだろう。

黄色と黒だけで描こうとすると、まるっきり緑色。

水彩絵の具が欲しい病にかかっている。ターナーが緑色が嫌いだったという文章を読んで心をしずめようと思ったのだが、ターナーが黄色絵具をたくさん持っていたという部分を読んだら黄色も欲しくなってしまった。ターナーが好きというわけでもないのに。

本物と絵具と比べてもしょうがない。

たまねぎの枯葉が冷蔵庫の野菜室に散る。

枯葉にさえも置き去りにされて。

時代、季節、画家、どれが最も儚いか。昨日も今日もスルバランの絵。

この絵が描きあがるまで、何も考えないでいられそう。暇つぶしというよりも時間稼ぎに近い。

傷んだ果物の切り方。

夢の中で下山さんに「納豆キナーゼ君に会いに行こう」と誘われたらついて行くかもしれない。

出てくる、出てくる、封筒の家から。marie claire idees のクリスマス号。うっとりしすぎて変になりそう。

夜には入り口も出口もある、朝とは違って。

結局、夜に期待しすぎなのではないか。

睡眠薬を飲むと、眠らなければならないというプレッシャーがますます強くなる。

坂道がななめだった。

ザルの網目の全ての穴から、パスタが見える。

焼きナスにぎっちり詰まったカマキリの種。

帰り道じゃない夜の道
下水道の
金属の
水のはいった散歩道

目が疲れた時、バニラがバラに見えるのはいいけどレバニラはちょっとイヤ。

最終日に、銀座のショーウィンドウの中に巨大なチョコレートのキリンがいるのに気がついた。駱駝の親戚みたいなキリン。

今日、月のはなれ最終日です。夜8時頃搬出します。

動物も笑う、秋の日射しにくすぐられて。

本当にレトロが好きだったら、バナナの皮ですべって転んでほしい。あれほどレトロなギャグはない。

キリンを描かないほうがキリンらしい。

今日、「月のはなれ」に最後の作品追加に行きます。この子は月曜日に納品しました。もう売れちゃったかしら。

むずかしそうだから描く気がしないもの、バナナ型ハモニカケース。

今日から展示は「月のはなれ」だけです。1週間よろしくお願いします。

結局完成しなかったもの、「バナナの皮のマフラーを首に巻くキリン」。

立体に顔を描くのはそれなりにむずかしい。でも立体に慣れてくると今度は平面に顔を描いた時にちょっとおかしな感じになる。

オブジェ3ｃｍ、詩だったら2行くらいのリンゴ君。

リンゴずきんちゃんのずきんがレインコートに見えてくる。

私の気持ちとしては今回はこれ一枚眺めていれば満足。今日は画室１に13時から16時までいます。

明日21日から展覧会です。会場はふたつあります。
「月光荘画室１」と「月のはなれ」です。
明日は私は13時から16時まで「月光荘画室１」にいます。

写真の服の袖の薄い黄緑色を見ていただければ幸いです。

「皮をむきかけのリンゴ」、材料はスチレンボードとリボン。

リンゴ星。

私は毎日見ているリンゴ鳥。