ベネチアンレッドは赤身の肉と同じくらい赤い。

強い茶色の扱いが苦手なのは、子供のころに牛肉の摂取が少なかったせいかもしれない。
 

 炭水化物は絵の具で言えば混色用の白。

チーズバーガーのパンが昨日はマフィン。
 

 キッチンの方を気にする二人。

チーズバーガーのチーズについて真剣に考えたことがなかった。
 

ゲーム盤のまわりの菓子屑。 

 テーブルクロスの皺の上で葡萄を食べる。

 小さい椅子もある室内画。

 でも、一番好きな椅子はベッド。

 「大きい椅子愛好家です。」

 猫派、犬派。紅茶党、コーヒー党。鉛筆を削るのは器械ですか、ナイフですか？

 ホックニーを見に行った知り合いと、マチスを見に行った知り合いが、どちらがどちらだったか忘れた。

 布タイプの空か海。どちらかは分からないまま。

 

地下鉄のポスターとほぼ同じ気分。

正解のある世界は向いていない。
 

昨日は歯医者さんの予約を一日間違えていたので、池袋でケーキを食べてから家に帰った。 

 「100年くらい前に生まれていれば、物語の中に居場所があったかしら？」

 クマのプーさんにでてくるクリストファーロビンって名前が長いところが素敵だと思っていた。

 小説の最後の3行みたいな夏。

コップの底のレモンが遠いのは指が短いから。 

この距離からなら何を描いても同じ。
 

モチーフとの距離がどんどん近くなってくる。
 

 絵に描いた皿にもテレビの光が反射している。

 結局、果物をどこに置いていいのかわからない、電子レンジの上以外には。

廃屋の壁に、食べられそうもない実がなっていた。

 

 指輪は絵を描くときに邪魔だなと思っているひと。

もうすぐ、宝石が溶けてしまわない季節がやってくる。
 

 目が悪くなると、見て美しければいいじゃないよりも、イメージとして美しければいいじゃないへ移行していく。

ムンクの「幻影」。悪夢だとは言わない。美しすぎると感嘆するだけ。