愛は人間とは関係ないかもしれない。

 退屈の方向にあるものを美化する仕事。２種類の紫で。

ひとのケーキを半分もらうことはある。ひとの描きかけの絵を描くことはない。 

１０年以上描きかけだった象の帽子を仕上げた。
 

 時々、退屈の方角に歩いていく。

 「今を生きる」を少しだけ始めたら、なにも終わらなくなった。これは私に向いていない。

いつまでも完成しない絵が何枚もたまっている。「読書中のビスケットは星座。」
 

 雨の音の大部分が正体不明。正確には何の音なのか。

涙の色が赤と青だったら、ズボンの色は何色だろうと悩んでいるところ。
 

 左右に別れた赤と青。

 夢の中で食べるメロンとスイカが同じ味。

 絵は気に入ったら予定より早くに完成宣言をすることができる。お菓子は作業途中が可愛くても、そこで時間を止められない。食品として食べられるようになるまで、終わりにできない。

 練って焼いた小麦粉。クッキーとかビスケットとか呼びたくない。

昨日今日と一年に一度のピンクムーンの日だし、イチゴビスケットにすれば良かったかなとも思う。
 

 欲望を刺激せずに、満足感だけを与えてくれる食べ物って何だろう。

 ビスケットと呼べばいいのか、クッキーと呼べばいいのか。私の感じではチョコレートが塗ってある物体、絵の具のように。

 一応少し描いてから消します。机の上の本の題名は「世界の動物」。

 白紙の本を書き始めている。

 スタートラインに戻れるような清潔なベージュ。

 もしも描きたいのがタコでなかったならば、これは消すべきだと思う。

今度こそ完成、余計なものを塗りつぶしたら本のページも白紙になった。
 

 生きている時も、死んでからも行く可能性がなかったとしたら、空って何なの？

 未来が地面のほうにあることは花だって知っている。

 上を向かずに花を見るのは楽しい。

 歌の題名を思いついた。「カラスが歌いそうな歌」。

 足がたくさんあることを隠しているひと。

 描きあがって30分で捨てた絵。「くまちゃんジュースを飲みたがっているくまちゃん」。

 バラに似た椿を探して歩くならば、今がその季節。

 はなびらも、もう眠っていい。

 ベーキングシートに残ったクッキーの跡。このクッキーを食べ終わる前にシートを捨てないと呪われる。